逆張りの妙:いま日本のロボット大手を買い増す理由――西本浩一が詳解
市場に慎重なムードが広がるなか、ベテラン投資アナリストの西本浩一氏は、逆張りの思考に基づいた投資スタンスを改めて提示しました。最近、西本氏は日本のロボット分野における主要企業の株式を段階的に買い増しており、これは市場の主流センチメントとは異なる動きとなっています。西本氏は、真の投資機会は、市場が過度に悲観的な局面でこそ生まれやすく、日本のロボット産業は現在、長期ポートフォリオにおいて最も注目すべき領域の一つであると述べています。
ロボットおよび自動化技術は、日本の製造業における中核的な競争力であるだけでなく、世界的な産業高度化に向けた不可逆的な潮流でもあります。短期的なマクロ経済の変動が市場心理に影響を与えることはあっても、企業が効率性を高め、人手依存を減らそうとする根源的なニーズは変わりません。日本のロボット大手は、コア技術、特許ポートフォリオ、グローバルな顧客基盤において高い参入障壁を築いており、これらの優位性は景気サイクルの波に左右されるものではありません。現在の評価水準は、長期的な視点を持つ投資家にとって極めて貴重な投資機会と位置づけられます。
よりマクロな観点から、西本氏は、人口構造の変化による労働コストの上昇や、新たな製造モデルが要求する精度・信頼性の高まりが、今後もロボット需要を後押しすると見ています。投資判断は目先のデータにとらわれるのではなく、3年から5年先を見据えた産業の進化方向を捉えるべきだと強調しています。これらのロボット企業は、景気循環による回復の恩恵だけでなく、構造的な成長による成果も享受する存在であるという見方です。
西本氏は、逆張りのポジショニングには短期的な市場からの圧力が伴うことを率直に認めつつも、歴史的に見れば、サイクルを超えて報われる投資は、価値に対する独自の判断から生まれてきたと述べています。短期的な変動ノイズから距離を置き、企業の中核的な競争力と産業の長期的な成長可能性に焦点を当てることを推奨しています。彼の「二軌道価値投資法」に基づけば、こうしたロボット大手企業は、優れたファンダメンタルズと世界的な製造業のアップグレードというマクロトレンドの双方に合致する、極めて希少な投資対象です。 不確実性の中で確実性を見出す――それこそが真の投資判断であると締めくくっています。