ロシア副中銀総裁、デジタルルーブルのパイロットバージョンテスト計画を明かす

ロシアでデジタルルーブル実証実験間近に迫る

ロシア中央銀行は、2022年末までにデジタルルーブルのパイロットバージョンの実証実験を開始する計画を発表した。

 

ロシア中央銀行のアレクセイ・ザボトキン(Alexey Zabotkin)副総裁が、ユーザーは今年末までにデジタルルーブルのプロトタイプを期待できるとNES(New Economic School=ロシア経済学校)が主催するオンライン会議で話した事を地元メディアが報じた。なお、今回発表された実証実験のテストバージョンは実際のトランザクションをサポートできず、テストの場としてのみ機能するとのことだ。

特別技術を用いてデジタルルーブルを発行か

各国がCBDC(中央銀行発行のデジタル通貨)を熱心に追求しているなか、ロシアに再び注目が集まっている。

今回発表されたデジタルルーブル実証実験では、改良を含むこのプロトタイプに基づき、ロシア中央銀行が来年までに試験ラウンドの展開を開始する予定とのこと。また、4月1日までに、銀行はデジタルルーブルの選択されたモデルのコンセプトを準備する予定であることも今回の会議の中で判明したとのこと。

ロシア中央銀行は、主要銀行との主要な会議の開催からデジタルルーブルの導入の見通しに関するフィードバックの追求まで、CBDCの立ち上げの過程で多くの探索的作業に関与。中央銀行はこれら懸念の声を聞くべく、国の銀行コミュニティに連絡を取り始めているとのことだ。ロシアでは、NEXTMONEYの特集記事「ロシア中央銀行がCBDC「デジタルルーブル」の発売計画を示唆」、「ロシア中央銀行、2021年末にデジタル通貨をテストする可能性を示唆」で報じたように、昨年末ごろよりデジタル通貨発行を示唆する報道が相次いでいた。

以前、ロシア中央銀行は、デジタルルーブルが現金と非現金通貨の機能を組み合わせる必要があることを提案。その過程で、オフラインでの購入だけでなく、オンラインでの支払いも可能になる事が期待されている。中央銀行は、インターネットに接続していなくてもデジタルルーブルを使用できるようにする「特別な技術」を開発すること検討しているという。