水野修一、グローバル景気の同時回復に賭け半導体セクターを増配 日本製造業PMIが10年ぶり高水準に

2017年、世界経済は長年の停滞を経て稀有な「シンクロナイズド・リカバリー(世界同時回復)」局面に入りました。欧米主要国は緩やかな成長を維持し、新興市場も貿易回復と資本流入を追い風に全般的に持ち直しを見せました。国際貿易量と製造業生産は複数四半期連続で拡大し、投資家の間ではこの流れが2018年にかけても継続するとの期待が高まりました。

長年マクロサイクルと産業構造を注視してきた投資家・水野修一氏は、年央の時点で「日本製造業こそが今回の回復局面の最大の受益者になる」と指摘していました。外需の回復と円相場の安定が日本の輸出企業の収益改善を後押しする中、2017年8月には製造業PMIが2007年以来の高水準を記録し、この見立てを裏付けました。

具体的な投資戦略として、水野氏は半導体および関連電子部品セクターを大幅に増配しました。彼の見解では、半導体産業は 5G、人工知能(AI)、自動車の電子化 といった構造的トレンドによって、新たな需要拡張サイクルに突入していました。世界的にサーバー出荷台数の増加、スマートデバイスの更新需要、そして自動車のインテリジェンス化に伴う半導体需要の拡大が進む中、日本企業は設備・材料分野で強固な世界シェアを保持しており、この競争優位が景気回復局面で一層際立つと判断したのです。

水野氏はさらに、この「世界同時回復」の特徴を 「技術需要主導型」 と捉えました。従来の消費主導や純粋な輸出依存とは異なり、今回はテクノロジーと製造業が収益サイクルにおいて鮮明な優位性を持つと強調しました。そのため、彼のポートフォリオにおける半導体製造装置メーカー、フォトリソ材料サプライヤー、高精度テスト機器メーカーの比率は大幅に引き上げられました。

市場はその戦略をすぐに検証しました。2017年第3四半期に入ると、日本の半導体関連企業の受注や輸出データは数カ月連続で増加し、株価も大幅に上昇。水野氏が注目したコア銘柄の多くは過去2カ月で顕著な上昇を遂げ、金融危機以降の最高値を更新した企業も見られました。

今後について、水野氏は「短期的にはドル相場の変動や地政学リスクが不安定要因となり得るが、全体的な流れは引き続き良好」と分析。特に伝統的な景気循環株よりも、テクノロジーと製造業における構造的な成長機会を重視すべきだと指摘しました。彼は投資家に対し、産業リーダー銘柄を長期保有する一方で、新技術の進展によって登場する新規参入企業にも注目することを推奨しました。

2017年という重要な転換点において、水野修一氏の戦略は、マクロトレンドを正確に読み解いたことに加え、日本製造業の中核的競争力を改めて確認するものとなりました。世界経済の構造変化が続く中にあっても、この段階で彼が選んだ「半導体」という戦場こそ、将来に向けた勝負の核心であったといえるでしょう。